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酒井順子さんのエッセイ「都と京」(みやことみやこ)を読んでいる。
東京と京都の文化比較が主なテーマで、
題材はグルメに大学、旅にお土産、言葉など様々だ。

具体的な人名や出来事が旬ではないので奥付を確認したら
「あら10年前の本なの」と意外に思うほど、
語られた内容は古びていない。2016年の今に、じゅうぶん通じる。

日本の人は狭い国土内の、
県民性や街の特性の違いを語ることを好む。
そういうテレビ番組も人気がある。

千葉で育った私には、東京都を挟んだ
千葉と埼玉の県民同士の意識の張り合いが理解できるけど、
北海道民からしたら「どっちもどっち」だろう。

五輪メダリストのインタビューには名前と年齢に、
出身の都道府県が添えられていて、私と夫はそれを見て
「静岡っぽい」「なるほど青森生まれのガッツ」などと話題にする。
しかし海外の人からしたら、くくりは「JAPAN」だ。

話題にすることがあるかないかは知らないけれど、
外国の人にも同じ感覚はあるような気がする。

国土がビッグな分、差も違いも広がりそうなアメリカで、
生粋のニューヨーカーがケンタッキー出身者を
「いなかもの」と軽んじるシーンは、映画とかに出てきそうだ。

ロンドンやパリで、通りのどちら側に店を開くかで
雰囲気や客層に違いができそうだし、
中国料理は四川と広東で全く味が違うと聞く。

外野からしたら同じようなものでも、
内輪にとって「いやいや全く違うんだよ」と
言いたくなることはある。

土地の個性だけでなく、歴史や宗教、思想にまで広げたら
もう収集はつかないだろう。

「関東の都道府県の区別が...」と仰る大阪在住のcachariさんに、
神奈川や千葉県内の都市の位置づけを説明しようと苦心し、
じょうずにできなかった経験から派生して、色々なことを考える。


「都と京」酒井順子 2006年9月15日発行(新潮社)