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我が家の長男坊は来春に小学生になる。先日、就学時健診に行った。

身長体重測定、視力検査に歯科検診、簡単な面接もある。
3年前の入園時に名前を言えなかった彼も、
きっと成長していると思い、事前に問うてみた。「おなまえは?」

「わかんない」

君は3年間、何を幼稚園で学んでいたのだ!
盛大にツッコんだが、本番では小声ながらも答えられ、一安心した。
健診は順調に進み、最後に結果を聞いて流れ解散の段階まできた。

各教室に1組ずつ呼ばれて、私たちの順になった。
指定された番号の教室に入ると、何となく落ち着かない様子の先生がいた。
「あのですね、別室で、もう少し、お子さんの普段の様子をお話いただきたく…」

分かりましたーと階の異なる教室に案内され、
「すぐに担当の者が来ますから」と扉が閉まった。しばらく待つと、
「すみません、もうすぐ、校長が参りますので…」と頭を下げられる。

WHY 校長先生!?

もしかして、入学式にて新入生代表で挨拶とか?と考えていると、
校長先生と、もう一人の先生がやってきた。
挨拶をして椅子に座り、息子と校長先生のやりとりが始まった。

聞いているうちに、私は やっと事態を飲み込んだ。
もう一人の先生の名札に書かれた、「特別支援教育」の文字が目に入る。
わー。要チェックされているんだー!

息子はこれまで、健診と言う健診の、
まいどまいど会話で引っかかってきたので、
こちらも慣れっこになっている。

問診票に「お子様について何かあれば書いてください」の欄に、
私はシンプルに「特になし」と書いた。
しかしチラ見した他の子の用紙には、いっぱい書いてあったと思い起こす。

あたし、のんき過ぎですかー!?

色々と思い巡らす私の横で、
校長先生とジャンケンルールについて質疑応答をする息子は、
いつもどおりのとんちんかんっぷりを発揮。

わああああ・・・・・!

結果は、まあ大丈夫でしょうと相成った。
「入学式で会えるのを楽しみにしているね」との言葉に送られ、
お手数をおかけしましたと教室を出る。

いやあ、参った。
息子を追い詰めぬよう、しかしきっちりと対応させる先生方の辛抱強さには、
さすが専門家と思わされた。

そして、息子の態度はあっぱれだった。
大人2人に質問されて言葉に詰まっても、
彼が私の顔をうかがうことはなかった。

ちゃんと自分の頭で考えて、言葉を紡いでいた。立派だ。
小学生になっても、ちゃんとやっていけるね。
・・・・・たぶん!
12月の初めに出る、星野源の新しいアルバムを楽しみにしている。
テレビに出演が増え、ラジオからも曲がよく流れてくる。

前作「Stranger」を買ったことを2年前の日記に書いてある。 (Click!) 
迷いながら購入したCDは、この数年、繰り返し繰り返し聞く、
結果として私にとってアタリの作品になった。

出合いでTちゃんを思ったからか、
星野源を聞くと、たいてい彼女を思い出す。
そしてやはり、たまに泣く。

歌や映画を好きだったTちゃんは、
星野源について どんな感想を持つのか。
答えは永遠に返ってこない。

少し前に兄弟デュオとしてのキリンジが解散したが、
私にキリンジを教えてくれた彼女は、それを知らない。

アナ雪が流行ったことも、
日本の選挙権が18歳以上に変更されることも、
原節子が亡くなったことも。

私が知っていて、彼女が知ることができないものが増えていく。
新しい物事について、Tちゃんとおしゃべりしたくともできない。
さみしさは柔らかいものへと形状を変えても、薄まることなく私の中にある。

Tちゃんが亡くなって数年経ち、振り返ると、距離を空けて彼女が立っている。
進み続ける私の時間と停止した時の間は、広がるばかりだと気づかされる。

何とも言えないモヤモヤした気持ちが胸に広がり、
私はそれを、なんとか物語にできないものかと考える。