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だんみつーぅ!
心の中で叫んで左腕でガッツポーズをした。

NHKの番組「ミュージック・ポートレイト」で、
壇蜜が「人生の最期に聴きたい曲」に
キリンジの「愛のCoda」を挙げていた。

著名人2人が互いの人生を象徴する音楽10曲をもちより語り合う番組は、
前後編の2回で構成されている。
子供の頃から始まって青春期を経て現在まで、今回の内容は後半戦だった。

前編で、対談相手のスナップ写真の背景に
キリンジのアルバムカバーが写っているのを見つけた。

ライブ会場の楽屋らしい壁面にペタペタと貼り付けられた紙に混じっていて、
たまたま写った物だと分かっていても、
「キリンジだ~。1曲に挙げてくれないかなぁ、くれないだろうなぁ」と期待した。

キリンジは紹介されぬままラスト10曲目まで来て
突然「愛のCoda」が流れたので、なおさら嬉しくて拳を握った。
そして不意打ちのようにTちゃんを思い出して涙がこぼれた。

キリンジを教えてくれたのはTちゃんだった。
壇蜜もキリンジ聴いているってよ~!と勢いに任せてメールしたくても、
この世に届く先が無い。さみしくて悔しかった。


お通夜の遺影で微笑む彼女を見たとき、そんなところで笑いやがってと
猛然と腹が立った。怒りを感じるのもどうよと自分自身に突っ込みつつも、
泣いてやるもんかと奥歯を噛んだ。

もしあの世があるならば、彼女は先にそこに行っているので、
私が旅立てば会えることになる・・・かも知れない。
ニコニコ笑って出迎えられたら、やっぱり腹が立ったりするだろうか。

本棚の奥から探し出してきた「愛のCoda」をリピートしながら、
そんなことを考えている。